《大蛸 クラーケン》というカードがアスガルドにはあります。


 自身のユニットが回復するたびにランダムな相手ユニットに2点与えることができるこのカード、蛸は西洋の一部ではデビルフィッシュと呼ばれることもあり、悪魔を彷彿とさせる生物であります。実際、回復しているだけで相手のユニットを壊滅させていくのは悪魔の所業というほかないでしょう。

 また《クラーケン》と組み合わせたいカードとして、《狩猟神 スカジ》が思いつきます。


 こちらはダメージを受けるたびに《スカジの雪狼》という2/1(氷河に出れば2/2)というユニットを横のいずれかに作る効果を持っております。《スカジ》は北欧神話では巨人族の娘で、父親を殺したアース神族(オーディンやトールが所属する神族)にその代償を求め、夫と「自分を笑わせること」を要求しましたというエピソードがあります(*1)。


*1) ちなみに神話ではその結果、責任を押し付けられたロキが山羊と自分のちんぽを紐で結んで綱引きをしました。スカジ、手を叩いて大爆笑。やはりいざというとき身を助けるのは下ネタである。


 彼女はスキーと狩猟を得意としており、その性質はDxMでは狼を従え、また《スカジの氷矢》でダメージ+凍結という形で表現されています。弓は古今東西、非常に優秀な武器であり、急所を狙われずとも、たとえば膝やスネなどを射られれば冒険者を続けることもできません。

 回復するたびに効果を発揮する《クラーケン》とダメージを受けるたびに効果を発揮する《スカジ》。《スカジ》に軽いダメージを受けさせてそれを回復し、《クラーケン》で除去する、という理想的なパターンに持ち込めれば、手札を消費することなく2/1を作り出しつつ2点を与える、という動きができるでしょう。

 これは一見すれば容易に条件を達成して相手の場を壊滅できるように見えますが、そこは理想と現実の差が。デュエルエクスマキナではシャドウなバースみたいに回復していないのに回復扱いということはないので、「回復するたび」という条件の効果を誘発させるためにはダメージを受けているユニットを用意する必要があるのです。

 この悪魔(デーモン)のような生物とスネ射るがごとき射手を最大限に活かすためには、果たしてどうすればいいのか。

 デーモンのような生物と膝やスネを射る………。

 デーモンの生物、スネを射る……。

 デーモン、スネ射るーーはっ、デーモンスネイル!?


《魔蝸牛 デーモンスネイル》はPIG能力(Put into Grave; 主に戦場から墓地に送られたときの能力)として、その場に〈酸溜まり〉地形を作り出すという能力があります。ターン終了時にその上のユニットに1点のダメージを与えるようになるこの地形は基本的にデメリットとして扱われており、それゆえ《デーモンスネイル》は1/2/2というマナコストに対して高いサイズを持ちます。

 しかしもし、この〈酸溜まり〉をメリットとして使えたら………!?

《スカジ》は安全に1点のダメージをコンスタントに受けることができ、そこから《スカジの白狼》を生成。次のターンに《スカジ》を回復させることで《クラーケン》の能力を誘発して相手を焼くというコンボが可能に!

 ついに完成してしまったスタート環境のソリューション。春の新色はこれだ!


 1点回復でわざわざリソースを使いたくないので、ガーディアンはフレイヤ確定。

 最初に述べたように、《デーモンスネイル》+《スカジ》+《クラーケン》(+フレイヤのガーディアンスキル)というのがメインコンボなのですが、《デーモンスネイル》(〈酸溜まり〉地形)の代わりに自傷する手法として、

  • 《小魔 インプ》
  • 《影術師 マリヘフ》
  • 《バルドルの閃光》

を採用。


《小魔 インプ》はターン終了時に自身以外の1体にランダム1点を飛ばします。特に後手の場合、これが後攻で捲るために使えなくもないのですが、今回は自傷手段としても活用。
《影術師 マリヘフ》はやはりターン終了時に前にいる自分のユニット(*2)に1点与えて+1/+0にするユニット。後列に置きたい《スカジ》などには使いにくいですが、《熊戦士 ベルセルク》なんかには悪くない。
《バルドルの閃光》は(記憶が正しければ)Oβから効果の変わったカードで、もともとは全体封印だったような。調整入った結果として、3マナで全体に2点となりました。2点なので自傷に使うにはややリスキーですが、《スカジ》は3/3なのでギリギリ耐えられ、また序盤の動きがやや遅いのでウィニーの対策としては悪くない。


*2)余談ですが、この手の1マス前のユニットに効果を及ぼすカードはすべて「自分のユニット」「対戦相手のユニット」と書かれているのが残念だったり。相手にも自分にも使えたら使い方が広がるのに。


 ダメージを受けたときに効果が誘発するカードとしては、《狩猟神 スカジ》のほかに、

  • 《熊戦士 ベルセルク》
  • 《雷電神 トール》

を採用。特に《トール》は〈酸溜まり〉の上に置けば出た直後に2点飛ばせるのが非常に優秀で、遅いけど後半それほど強くないこのデッキがコントロールに対してダメージを稼ぐことができます。


 ついに完成してしまった最強コンボ。スタート二週間足らずして、最適解が生まれてしまうとは……残念な気持ちと同時に、このデッキを生み出したことに対する誇らしい気持ちも。
 ではこれにてコロシアムへ赴く! 3回戦!

VS. 氷河アスガルド(ロキ) 後〇
 氷河地形のサイズ差でチャンプブロックしたぶんを《バルドルの閃光》x2で2:5交換くらいして中盤くらいまで過ごす。
 微有利な状態で進めた後半、相手の《ウルモルの喧嘩師》が2/3外して隣にいた《豊穣神 フレイヤ》をぶん殴る。なるほど、こっちのガーディアンと区別がつかなかったのか……。そのままぶん殴って勝ち。

VS. 成長アスガルド(フレイヤ) 後×
 序盤はお互いに遅い展開から、相手が《霜巨人 ヨトゥン》で隠しながら《ドワーフの少年》が成長を続けてでかいのが2体並ぶ。おいなんかあっちのデッキ楽しそうだぞ。
 しかしこちらも、 ちょっと遅くはなったけれど《魔蝸牛 デーモンスネイル》が着地し、作成した〈酸溜まり〉に《狩猟神 スカジ》を配置してコンボスタート。さらに《小魔 インプ》も着地させ、運が良ければ2体出るぜ!
→〈酸溜まり〉で出た《スカジの雪狼》に《インプ》のランダムが直撃して死亡。


VS. オリンポスウィニー(アテナ) 先〇
 間違って《バルドルの閃光》をマリガンしてしまうも、序盤はそれほど早くなく。交換している間に《魔蝸牛 デーモンスネイル》が場に出て、6手目から《スカジ》+〈酸溜まり〉がスタート。
 幸い余っているマスは氷河にしてあったので《スカジの雪狼》が2/2になり、相手に何度もチャンプブロックされながら10マナ到達して「《天空神 ゼウス》か《万魔帝 テュポーン》が来たらアウトだな……」と思っていたものの出てこなくて勝ち。



 2-1。

 うむ、うむ……なんかふつう?

 とりあえず〈酸溜まり〉+《スカジ》は悪くない。最低でも5マナで3/2と2/1(氷河で+0/+1)が出るわけだし。ただそこまで破壊力のあるコンボではないので、6マナ以降にもうちょっと攻めを補強できるカードがあると良さそう。今回は当たらなかったけど、ルクソールやトリニティに当たったらたぶん死ぬので。

 え? 《大蛸 クラーケン》? 最後に出ただけは出たよ。

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