かくもあらねば/22/01


Vorale!
夢は死なない

Kuto
Lv.16
S/P/E/C/I/A/L=3/6/3/10/4/7/9
Trait: Good Natured, Looser Cannon
Tag: Speech, Barter, Explosives
Skill:
[S]: M.Weapon=11
[P]: E.Weapon=17, Explosives=51, Lockpick=26
[E]: Survival=48, Unarmed=8
[C]: Barter=84, Speech=95
[I]: Medicine=29, Repair=26, Science=36
[A]: Guns=19, Sneak=54
Perk:
[E]: Travel Light
[C]: Ferocious Loyalty
[I]: Demolition Expert, Educated
[L]: Mysterious Stranger
[Others]: Black Widow, Cherchez La Femme, Intense Training
[Implants]: Luck Implant, Monocyte Breeder, Sub-Dermal Armor
Equipment: Maria, Cattle Prod, Plasma Grenade, Pulse Grenade, Great Khan Simple Armor


 Zionから戻ったKutoは、Caesarから頼まれていた仕事をひとつこなした。ED-Eとふたりだけでこなせるような、簡単な仕事だった。


 一度、Legionの本拠であるFortに戻り、Caesarに報告をした。彼は大層満足そうな表情をし、次にある任務をKutoに与えた。それがNew Vegas北東部に住まうBoomersへの協力の要請であった。

(ひとりじゃあ危険だろうなぁ)
 なんたって、女の子の独り旅だ。これは若い男に守ってもらわねばなるまい。そう思ったKutoがNovacに向かうと、目当ての色眼鏡を掛けた顎の大きな男は居なかった。
「少し前に若い男と連れ立って、Forlorn Hope基地へ行ったぞ」
 と教えてくれたのはBooneの元同僚であったManny Vargasである。
「若い男?」
「ああ、NCRのRangerとか言ってたかな。あんたのことを探しているみたいだったが」
「それはもしかして、金髪で青い目をした……」



「ああ、そうそう。そんな感じだ」
「いい男でしたか」
「まぁ……、いやまぁ」
 言葉を濁すMannyのことはさておいて、KutoはBooneを連れて行ったNCRのRangerに思考を向けた。Rangerと聞いてまず思いつく人間はひとりしかいない。金髪で青い目となればなおさらで、例の牧師に違いない。 
(逮捕されたってわけじゃあないだろうなぁ………)
 Cottonwood Coveの様子から、Booneはむしろ、Caesar's Legionに協力しようとするKutoを見限ったように感じた。Kutoの情報を、喜んで吐き出すかもしれない。
 となれば、こんなところでぐずぐずしてはいられない。早々にCaesarから受けた任務を済ませ、Fortに戻るべきだろう。ひとりでは不安だが、まぁ、きっとなるようになるだろう。今までもそうして生きてきた。

 そんな軽い気持ちが打ち砕かれたのは、Boomersの住まうNelis空軍基地へ向かう道程の途中、第188交易所に立ち寄ったときであった。


 いきなり銃声がした。何か喚いているのは、交易所の商人である。喧嘩だろうか、剣呑だなぁ、などと思いながら視線を巡らすと、ED-Eの姿が無かった。よくよく視線を巡らしてみれば、交易所の商人が中を向ける先に居たのがED-Eである。
 SamuelMichelleという、夫婦と思しき商人である。近くには元NCRの人間が武器商などをやっていることから、もしかするとNCRとの繋がりが有って、KutoとED-Eのことを知っていたのかもしれない。あるいは単に、ED-Eが誤作動を起こして襲い掛かったのかも。
 理由はどうでもよかった。問題は、この場を如何にして収集をつけるか、である。今はまだ互いに銃を向けているだけの段階で、怪我人は居るものの、死者までは出ていない。金でどうにか折り合いをつけられれば、などと考えていたところでED-Eから射出されたレーザービームがSamuelの胸を撃ち抜いた。あれでは即死だ。蘇生のしようもない。アーメン。
 怒り狂った妻、Michelleが銃口を向けたのは、ED-Eの所有者たるKutoであった。
 Kutoは急いでBennyから奪い取った銃、銀色の装飾されたMariaを抜こうとした、が、Michelleは既にKutoの頭にぴたりと銃口を定めていた。これは抜いたら不味い。しかし抜かなくても、どうせ撃たれる。ED-Eは既に戦闘不能だ。助けてくれそうな人も居ない。なんてこった。
「ああ、これはもう駄目だな」
 NCRだのCaesar's Legionだの、White LegsだのGhost Peopleだの、様々な敵に出会ってきたKutoであったが、こんな鄙びた場所で、ただの商人に殺されようとは思わなかった。ま、警戒をしていなかったのだから、仕方が無いところである。できれば一発でさっぱり終わりますように。

 そんなふうに考えていたKutoの目の前で、Michelleの首が飛んだ。さながら花を折るかのように簡単に。



 花を折ったのは鈍色のPower Fistであった。そのPower Fistから伸びるのは、否、Power Fistを伸ばすのは、萌葱色のフードつきコートを被った人物であった。
「まったく、無抵抗の女相手に………」
 そんなふうに呟いたフードの人物は、短い黒髪の女であった。Kutoはこの女のことを知っていた。といっても、以前にこの第188交易所を利用した際、休憩がてらに言葉を交わしたことがある程度だが。確か、Veronicaとかいったか。
 なぜ僅かな言葉しか交わしたことがない彼女が自分を助けてくれたのか、事態の急転についていけず呆けと考えるKutoにVeronicaは近づいてきた。
「お久し」などと言って、彼女は血飛沫の付いたPower Fistを広げてみせる。「この前の、老け顔のにいさんは?」
Booneさんは、えっと、別の用事で……」
「あ、そう。じゃあひとりきりなんだ。ふぅん、ひとりじゃ危ないでしょ? 一緒についていってあげようか? 見ての通り強いし、役に立つよ」

 急な護衛の申し出に、Kutoは面食らった。 

 当てにしていたBooneがNCR側に着いてしまった今、Veronicaが助けてくれるというのなら、それはりがたいことだ。先ほどMitchelleを殺した手際といい、人を殺した後でも普通に話す度胸といい、確かに頼りにはなるだろう。
「ああ、で、ちなみにわたし、Brotherhood of Steelっていう組織のひとりでね、色々敵が多い身の上だから、それでも良ければ、なんだけど」



 Brotherhood of Steel(BOSというのは聞いた覚えが有る。戦前の遺産を収集している組織で、確か以前訪れたHelious OneもNCRが占拠する(そしてKutoが壊滅させる)以前はBOSが占有していたという話を聞いたことがある。NCRに敵対する集団だ。
 とはいえ、それは理由にならないだろう。BOSは小規模な集団で、彼女がKutoがCaesar's Legionに協力していることを知っているとは思えない。

 理由を問い質すと、Veronicaはにっこり微笑んで、こう切り返した。
「わたし、あなたのこと気に入ってたの。だからもっと仲良くなりたくて。ね、いいでしょ? きっと役に立つよ。昼も……、夜も」

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